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既存住宅における性能表示項目の解説

1. 地震などに対する強さ

概要

住宅は、地震、暴風、積雪などの様々な力の影響を受けることがあります。これらの力の影響が大きくなると、建物は、次第に損傷したり、最後には壊れたりすることがあります。

住宅の所有者にとっては、どんなに大きな力の影響を受けても傷一つない建物というのが理想でしょう。しかし、大震災に対して全く傷を受けない建物を作ろうとすると、現在の技術では非常に難しく、仮にできたとしても莫大な費用を要するものとなるなど、どうしても無理が生じてしまいます。

そこで、この基準では、最低等級である等級1(建築基準法レベル)として次の目標を設定しました。

損傷防止
数十年に一回は起こりうる(すなわち、一般的な耐用年数の住宅では1度は遭遇する可能性が高い)大きさの力に対しては、大規模な工事が伴う修復を要するほどの著しい損傷が生じないこと
倒壊等防止
数百年に一回は起こりうる(すなわち、一般的な耐用年数の住宅では遭遇する可能性は低い)大きさの力に対しては、損傷は受けても、人命が損なわれるような壊れ方をしないこと

そして、等級が高くなるにつれて、より大きな力に対して目標が達成されるることを表しています。

この基準では、地震、暴風、積雪(多雪区域のみ)について、それぞれ、上記の「損傷防止」と「倒壊等防止」の2つの観点から評価した結果を等級で表します。

ただし、評価の対象は、柱、はり、主要な壁、基礎などの構造上重要な部分(構造躯体)です。

なお、評価を行う住宅が建築基準法に基づく免震住宅であるかどうかの確認を行い、免震住宅であると確認された場合はその旨を表示し、等級による耐震性能の評価は行わないこととなっています。
免震建築物
積層ゴムアイソレーター等の免震部材により地震と建物を絶縁し、激しく短い周期の地震の揺れを緩やかな揺れに変えて、建物及び建物内部の人、家具を地震の揺れから守る構造となっている建築物のこと

この他に、地盤や基礎に関する情報が併せて提供されることになっています。これらの情報は、住宅の性能の優劣を直接に表しているものではありませんが、上述した目標を達成するための前提として、地盤や基礎について、どのような情報があらかじめ確認されているのかを確かめる手段になるものなので、表示することになっています。

また、既存住宅の場合、劣化事象等が性能に与える影響を考慮する必要がありますが、その影響を正確に測定することは現在の技術では困難です。そこで、新築住宅と同様の等級に加え等級0を設定し、目視又は計測により構造耐力に大きく影響すると見込まれる劣化事象等が認められる場合は、計算による評価結果をそのまま表示するには信頼性に欠けるため、必ず等級0と判定することとしています。

なお、等級1では現在の建築基準法で求められる最低限の仕様への適合や構造計算による確認が必要であり、等級0には、計算の結果、それを下回る水準が確認されたという意味もあるのでご注意ください。

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性能表示項目の説明

地震に関しては、倒壊防止と損傷防止に分けて、次の項目があります。

1-1 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)
  • この事項は新築時に建設住宅性能評価を受けていなくても適用可能です。
  • 地震に対する構造躯体の倒壊、崩壊等のしにくさを表示します(等級3〜0)。
  • 極めて希に(数百年に一度程度)発生する地震力が建築基準法で定められており、新築住宅の性能表示制度では、この何倍の力に耐えられるかで等級が定まりますが、既存住宅では、これに「構造耐力に大きく影響すると見込まれる劣化事象等が認められないこと」という条件が加わります。
  • 想定する地震の揺れの強さは、地域により異なりますが、この揺れは、東京を想定した場合、震度6強から7程度に相当し、関東大震災時の東京、阪神淡路大震災時の神戸で観測された地震の揺れに相当します。
  • 等級は0から3まであり、等級2は等級1で耐えられる地震力の1.25倍の力に対して倒壊や崩壊等しない程度を示しており、等級3では1.5倍の力に耐えることができます。
  • 構造耐力に大きく影響すると見込まれる劣化事象等とは、その劣化事象等が計算によって得られる評価結果に大きく影響している可能性があり、結果をそのまま表示するには信頼性に欠けるとみなされるような著しいものです。こうした劣化事象等が目視又は計測により認められた場合、計算による評価結果にかかわらず等級0と評価されます。逆にいえば、等級3〜1と判定されるのは、こうした劣化事象等が認められない場合に限られます。
  • 等級0には、以下のような意味があります。
    • ア. 現況仕様及び図書等に基づく計算の結果、現在の建築基準法に定めのある関連する規定を満たしていない場合
    • イ. 目視や計測により、構造耐力に大きく影響すると見込まれる劣化事象等が認められる場合

1-2 耐震等級(構造躯体の損傷防止)
  • この事項は新築時に建設住宅性能評価を受けていなければ適用されません。
  • 地震に対する構造躯体の損傷のしにくさを表示します(等級3〜0)。
  • 希に(数十年に一度程度)発生する地震力は建築基準法で定められており、新築住宅の性能表示制度では、この何倍の力に耐えられるかで等級が定まりますが、既存住宅では、これに「構造耐力に大きく影響すると見込まれる劣化事象等が認められないこと」という条件が加わります。
  • 想定する地震の揺れの強さは、地域により異なりますが、この揺れは、東京を想定した場合、震度5強に相当します。
  • 等級は0から3まであり、等級2は等級1で耐えられる地震力の1.25倍の力に対して損傷を生じない程度を示しており、等級3では1.5倍の力に対して損傷を生じない程度のものとなります。
  • 構造耐力に大きく影響すると見込まれる劣化事象等とは、その劣化事象等が計算によって得られる評価結果に大きく影響している可能性があり、結果をそのまま表示するには信頼性に欠けるとみなされるような著しいものです。こうした劣化事象等が目視又は計測により認められた場合、計算による評価結果にかかわらず等級0と評価されます。逆にいえば、等級3〜1と判定されるのは、こうした劣化事象等が認められない場合に限られます。
  • 等級0には、以下のような意味があります。
    • ア. 現況仕様及び図書等に基づく計算の結果、現在の建築基準法に定めのある関連する規定を満たしていない場合
    • イ. 目視や計測により、構造耐力に大きく影響すると見込まれる劣化事象等が認められる場合
  • 等級0の場合は、その理由(アとイのどちらに該当するか)が併せて明示されることとなっています。
1-3 その他(地震に対する構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)
  • この事項は新築時に建設住宅性能評価を受けていなくても適用可能です。
  • 建築基準法で定める免震建築物であるかどうかを表示します。
  • 免震建築物であることの確認とともに、免震建築物としての性能を維持していくために必要な免震材料等の維持管理ルールを設定しているかの確認も行います。
  • ここで免震建築物であることを確認された場合は、上記1-1及び1-2の評価は行いません。

暴風と積雪(多雪区域のみ)に対しては、倒壊等防止に関する等級と損傷防止に関する等級をあわせて表示することになっています。これは、これらの場合には、2つの目標を1つの方法で同時に評価する場合が多いからです。

1-4 耐風等級(構造躯体の倒壊等防止および損傷防止)
  • この事項は新築時に建設住宅性能評価を受けていなければ適用されません。
  • 暴風に対する構造躯体の崩壊、倒壊等のしにくさおよび構造躯体の損傷の生じにくさを表示します(等級2〜0)。
  • 等級は、最大等級の等級2では、
    • 構造耐力に大きく影響すると見込まれる劣化事象等が認められず
    • 極めて稀に(500年に一度程度)発生する暴風による力の1.2倍の力に対して倒壊や崩壊等せず
    • 稀に(50年に一度程度)発生する暴風による力の1.2倍の力に対して損傷を生じない
    程度を示しています。等級1の場合は、太字部の倍率が1倍です。
  • 極めて稀に(500年に一度程度)発生する暴風による力とは、たとえば、東京近郊の住宅地を想定した場合、高さ10mの位置で平均風速が約35m/s、瞬間最大風速が約50m/sの暴風に相当します。
  • 稀に(50年に一度程度)発生する暴風による力とは、たとえば、東京近郊の住宅地を想定した場合、高さ10mの位置で平均風速が約30m/s、瞬間最大風速が約45m/sの暴風に相当し、これは、伊勢湾台風時に名古屋気象台で記録された暴風に相当します。
  • 構造耐力に大きく影響すると見込まれる劣化事象等とは、その劣化事象等が計算によって得られる評価結果に大きく影響している可能性があり、結果をそのまま表示するには信頼性に欠けるとみなされるような著しいものです。こうした劣化事象等が目視又は計測により認められた場合、計算による評価結果にかかわらず等級0と評価されます。逆にいえば、等級2〜1と判定されるのは、こうした劣化事象等が認められない場合に限られます。
  • 等級0には、以下のような意味があります。
    • ア. 現況仕様及び図書等に基づく計算の結果、現在の建築基準法に定めのある関連する規定を満たしていない場合
    • イ. 目視や計測により、構造耐力に大きく影響すると見込まれる劣化事象等が認められる場合
  • 等級0の場合は、その理由(アとイのどちらに該当するか)が併せて明示されることとなっています。
1-5 耐積雪等級(構造躯体の倒壊等防止および損傷防止):多雪区域のみ
  • この事項は新築時に建設住宅性能評価を受けていなければ適用されません。
  • 屋根の積雪に対する構造躯体の崩壊、倒壊等のしにくさおよび構造躯体の損傷の生じにくさを表示します(等級2〜0)。
  • 等級は、最大等級の等級2では、
    • 構造耐力に大きく影響すると見込まれる劣化事象等が認められず
    • 極めて稀に(500年に一度程度)発生する積雪による力の1.2倍の力に対して倒壊や崩壊等せず
    • 稀に(50年に一度程度)発生する積雪による力の1.2倍の力に対して損傷を生じない
    程度を示しています。等級1の場合は、太字部の倍率が1倍です。
  • 極めて稀に(500年に一度程度)発生する積雪による力とは、たとえば、新潟県糸魚川市を想定した場合、約2.0mの積雪に相当します。
  • 稀に(50年に一度程度)発生する積雪による力とは、たとえば、新潟県糸魚川市を想定した場合、約1.4mの積雪に相当します。
  • 構造耐力に大きく影響すると見込まれる劣化事象等とは、その劣化事象等が計算によって得られる評価結果に大きく影響している可能性があり、結果をそのまま表示するには信頼性に欠けるとみなされるような著しいものです。こうした劣化事象等が目視又は計測により認められた場合、計算による評価結果にかかわらず等級0と評価されます。逆にいえば、等級3〜1と判定されるのは、こうした劣化事象等が認められない場合に限られます。
  • 等級0には、以下のような意味があります。
    • ア. 現況仕様及び図書等に基づく計算の結果、現在の建築基準法に定めのある関連する規定を満たしていない場合
    • イ. 目視や計測により、構造耐力に大きく影響すると見込まれる劣化事象等が認められる場合
  • 等級0の場合は、その理由(アとイのどちらに該当するか)が併せて明示されることとなっています。

以上の他にも、次の2項目について記述することになっています。

1-6 地盤又は杭の許容支持力等及びその設定方法
  • この事項は新築時に建設住宅性能評価を受けていなくても適用可能です。
1-7 基礎の構造方法及び形式等
  • この事項は新築時に建設住宅性能評価を受けていなければ適用されません。
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