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既存住宅における性能表示項目

8. 高齢者や障害者への配慮

概要

加齢、病気、怪我などによって、身体の機能が低下すると、歩き、立ち座り、建具や設備の操作などの日常の動作が負担に感じられたり、転倒などの思わぬ事故に遭ったりすることがあります。

また、車いすを使用したり、介助者の助力を得たりするときに、必要なスペースが確保されていないと、不都合を感じる場合もあります。

このような身体上の負担や事故などを軽減するために、あらかじめ住宅の部屋の配置、廊下の広さなどを工夫することが有効な対策と言えます。

高齢者等に配慮した建物の工夫には、必要となった時に簡単な工事で対応できるものもありますが、廊下の幅や部屋の広さなど、変更するには大規模な工事が必要となるものも多くあり、それらはむしろ、新築時点での対応が必要です。

ここでは、高齢者等に配慮した建物の工夫の手厚さの程度を等級により表示することとしており、特に、

  • 移動時の安全性の確保
  • 介助のし易さ

に着目した工夫を評価の対象としています。

また、移動時の安全性と介助の容易さを考える際に、住宅の内部と、共同住宅等の共用部分とでは、用いる車いすの種類が異なることなど、想定される状況が大きく異なるので、ここでは、専用部分に関する等級と共用部分に関する等級とを別々に表示することとしています。

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性能表示項目の説明

高齢者等への配慮に関しては、次の2項目があります。

9-1 高齢者等配慮対策等級(専用部分)
  • この項目は、新築時に建設住宅性能評価を受けていなくても適用可能です。なお、共同住宅等の場合は、次の高齢者等配慮対策等級(共用部分)とセットで評価・表示されます。
  • 住戸内における高齢者等への配慮のために必要な対策の程度を表示します(等級5〜0)。既存住宅では、等級2と1の間に等級2−が設定されています。
  • 等級は、「移動時の安全性に配慮した処置」の程度と「介助の容易性に配慮した処置」の程度の組み合わせて判断されます。
  • 移動時の安全性に関しては、以下のものを採り上げています。
    • a. 垂直移動の負担を減らすための対策(例)高齢者等が利用する部屋と主要な部屋とを同一階に配置する。階段について、手すりを設けたり、勾配を緩やかにしたり、事故が起きにくい形にする。
    • b. 水平移動の負担を軽減するための対策(例)段差を解消したり、少なくしたりする。段差のある場所に手すりを設ける。
    • c. 脱衣、入浴などの姿勢変化の負担を軽減するための対策(例)玄関、便所、浴室、脱衣室に手すりを設ける。
    • d. 転落事故を軽減するための対策(例)バルコニーや2階の窓などに手すりを設ける。
  • 各等級は、上記のaからdまでの対策を組み合わせて、その手厚さの程度で評価しています。
  • 等級2- では、等級2と比べて、段差を解消する範囲を高齢者等が日常的に生活する空間内の一部に限定するとともに、手すりの設置についても、階段と浴室に限定したものとなっています。
  • 介助を容易にするための対策としては、次のものがあり等級3以上で求められています。より上位の等級になるにつれて、幅やスペースをより広くすることが求められるなど、余裕が増します。
    • a. 介助式車いすでの通行を容易にするための対策(例)通路や出入り口の幅を広くする。廊下の段差を解消する。等級5では、通路は850mm以上、出入り口の幅は800mm以上必要で、等級4では通路780mm、出入り口750mm以上が必要です。
    • b. 浴室、寝室、便所での介助を容易にするための対策(例)浴室、寝室、便所のスペースを広くする。等級5・4では浴室の短辺が内法で1,400mm以上必要で、等級3では1,300mm以上が必要です。
  • 等級0は、既存住宅独自の等級として設定されたものであり、移動等に伴う転倒、転落等の防止のための現在の建築基準法に定める措置が講じられていない場合を示します。
9-2 高齢者等配慮対策等級(共用部分):共同住宅のみ
  • この項目は、新築時に建設住宅性能評価を受けていなくても適用可能です。なお、前の高齢者等配慮対策等級(専用部分)とセットで評価・表示されます。
  • 共同住宅等の主に建物出入口から住戸の玄関までの間における高齢者等への配慮のために必要な対策の程度を表示します(等級5〜0)。既存住宅では、等級2と1の間に等級2−が設定されています。
  • 等級は、移動時の安全性に配慮した処置の程度と介助の容易性に配慮した処置の程度の組み合わせて判断されます。
  • 専用部分では、介助式車いすを用いる居住者を想定しているのに対し、共用部分では介助者の助力を得ながらも自走式車いすを用いる居住者を想定しています。
  • 移動時の安全性に関しては、以下のものを採り上げています。
    • a. 垂直移動の負担を減らすための対策 (例)エレベーターを設置する。階段について、手すりを設けたり、勾配を緩やかにしたり、事故が起きにくい形にする。 等級5・4・3では出入り口のない上層階などの住戸のためにエレベーターが必要で、等級2は必ずしも必要としていません。
    • b. 水平移動の負担を軽減するための対策 (例)段差を解消したり、少なくする。段のある場所に、傾斜路、手すりを設ける。共用廊下に手すりを設置する。 等級5では共用廊下の床に傾斜路がある場合手すりを「両側」に設けることが必要で、等級4では「少なくとも片側」に設けることが必要です。
    • c. 転落事故を低減するための対策 (例)開放廊下などに手すりを設ける。
  • 各等級は、上記のaからcまでの対策を組み合わせて、その手厚さの程度で評価しています。
  • 等級2- は、等級2と比べて、手すりの設置範囲について一部緩和したものとなっています。
  • 介助を容易にするための対策としては、次のものがあり等級3以上で求められています。より上位の等級になるにつれて、幅やスペースをより広くすることが求められるなど、余裕が増します。
    • a. 自走式車いすでの通行を容易にするための対策 (例)共用廊下の幅を広くする。 等級5では少なくとも1経路の廊下の幅員を1,400mm以上とすることが必要です。
    • b. 自走式車いすでのエレベーターの乗降を容易にするための対策 (例)エレベーターやエレベーターホールのスペースを広くする。 等級5・4ではエレベーターのかごの奥行きが1,350mm以上、エレベーターホールに1,500mm四方の空間が必要で、等級3でもエレベーターホールに1,500mm四方の空間が必要です。
    • c. 階段の昇降を容易にするための対策 (例)階段の幅を広くする 等級3ではエレベーターが利用できない場合少なくとも1つの共用階段の幅員が900mm以上必要です。
  • 等級0は、既存住宅独自の等級として設定されたものであり、移動等に伴う転倒、転落等の防止のための現行建築基準法に定める措置が講じられていない場合を示します。
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