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遮音対策(音環境)

概要

住宅では、同一建物内の隣戸の話し声や上階の足音が伝わってくることで、非常に不快に感ずることがあります。特に、子供の飛び跳ね音や走りまわり音がクレームの原因となるケースが多くなっています。

このような騒音の問題は、同一家族内で発生することもありますが、異なる家族間で発生した場合の方がより深刻で、居住者間のトラブルに発展することもあります。

そのため、この種の騒音問題は、戸建住宅よりも共同住宅の各住戸間で発生する場合の方が多くなっています。

「音環境に関すること」では、このような観点を踏まえつつ、

  • 足音や物の落下音などの伝わりにくさ
  • 話し声などの伝わりにくさ
  • 騒音の伝わりにくさ

を高めるための対策が、どの程度講じられているかなどを評価するものです。

「音環境に関すること」は、選択表示事項(オプション)ですから、申請者が評価対象とするか否かを選択することができます。

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性能表示項目の説明

足音や物の落下音などの伝わりにくさに関しては、次の2つの項目があります。

8-1 重量床衝撃音対策:共同住宅のみ
  • 「重量床衝撃音対策等級」または「相当スラブ厚(重量床衝撃音)」のいずれかを選択して評価・表示します。
    重量床衝撃音対策等級
    • 上の階の床から下の階の居室に伝わる重量床衝撃音(重量のあるものの落下や足音の衝撃音)を遮断する対策の程度を表示します(等級5〜1)。
    • 重量床衝撃音の遮断性能を向上させるためには、床の構造や構成方法の違いに応じて、以下の対策が必要となります。
      • 床の構造躯体の厚さを増加させる
      • 床を重くする
      • 振動を抑えるように床の端部の取付け方を工夫する
      • 衝撃音を増幅させないように床仕上げ材の種類を選択する
    • ここでは、このような対策のうち、その効果がある程度定量的に判断できるものについて、評価することとしています。
    相当スラブ厚(重量床衝撃音)
    • 上の階の床から下の階の居室に伝わる重量床衝撃音(重量のあるものの落下や足音の衝撃音)の遮断の程度をコンクリート単板スラブの厚さに換算した場合のその厚さで表示します。
8-2 軽量床衝撃音対策:共同住宅のみ
  • 「軽量床衝撃音対策等級」または「軽量床衝撃音レベル低減量(床仕上げ構造)」のいずれかを選択して評価・表示します。
    軽量床衝撃音対策等級
    • 居室の上下階との界床の軽量床衝撃音(軽量のものの落下の衝撃音)を遮断する対策の程度を表示します(等級5〜1)。
    • 軽量床衝撃音の遮断性能を向上させるためには、重量床衝撃音の場合と同じように、床の構造や構成方法の違いに応じて、以下の対策が必要となります。
      • 床の構造躯体の厚さを増加させる
      • 衝撃音を増幅させないように床仕上げ材に軟らかい材料を選択する
    • ここでは、このような対策のうち、その効果がある程度定量的に判断できるものについて、評価することとしています。
    軽量床衝撃音レベル低減量(床仕上げ構造)
    • 居室の上下階との界床の仕上げ構造に関する軽量床衝撃音(軽量のものの落下の衝撃音)の低減の程度を表示します。
  • なお、重量床衝撃音の遮断のため有効な対策が軽量床衝撃音の遮断に有効であるかどうかは、個別のケースにより異なります。

話し声や、騒音の伝わりにくさに関しては、次の2項目があります。

8-3 透過損失等級(界壁):共同住宅のみ
  • 居室の界壁の構造による空気伝搬音の遮断の程度を表示します(等級4〜1)。
  • 空気伝搬音の遮断性能を向上させるためには、住宅や壁の構造や材料の構成方法の違いに応じて、以下の対策が必要になります。
    • 壁の構造躯体の厚さを増加させる
    • 壁の重さを増す
    • 空気伝搬音を通しにくいような複合構造の壁を選択する
    • 界壁に隙間やコンセントボックスなどを作らないようにする
    • バルコニーや共用廊下に面する窓や換気口などから空気伝搬音が回り込まないようにする
  • しかしながら、このような対策を総合的に評価するためには、相当程度の測定値の蓄積が必要となるため、多様な構造方法が用いられる我が国の共同住宅等について等しく評価を行うことは容易でない面があります。
  • そこで、ここでは、隣戸から当該住戸の居室への音の伝わりにくさに関して、界壁に使用する構造と材料を評価対象として設定します。
8-4 透過損失等級(外壁開口部)
  • 居室の外壁に設けられた開口部に方位別に使用するサッシによる空気伝搬音の遮断の程度を表示します(等級3〜1)。
  • 一般的な住宅の場合、外部騒音の室内への侵入や、室内騒音の外部への放射に関して、外壁に設けられた窓部分が最も弱点となることが多いことから、ここでは、外壁の窓などに使用するサッシを対象とし、東西南北の方位別に評価を行うことを定めています。
  • 方位別に評価を行うのは、住宅の外部の騒音発生源がどの方向にあるのかによって、遮音性の高いサッシを用いるか否かの判断がなされることに配慮したためです。たとえば、南側に騒音の発生源となる工場や道路がある場合には、南側の開口部のサッシは極めて重要な役割を果たしますが、北側は、さほどではない場合も多いものと考えられます。
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