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住宅性能評価 事例読本

静岡

静岡県・木造・F様邸 家族構成:夫婦

ありのままの自然な住みやすさを優先し、一階と二階とを
非日常と日常にわけ、現代工法と住宅性能表示制度にて強い木造住宅を実現

「家の作りようは、夏をむねとすべし」という言葉が徒然草にあるのですが、そうした日本古来の知恵の中に、自分たちの家を建てる方向性があるのではないかと考えていました。高級な設備に頼ることなくありのままの自然と寄り添うように生活できる空間。さらにしっかりした木造が夫婦そろっての希望でしたので、とにかく構造自体を大切にした家を作ろうと決めました。強い木造をキーワードにネットで調べているとSE構法が出てきて、その延長線上で足立建築さんを知りました。問い合わせてみると、「弊社では、表示があり性能が担保されていて、検査もした上で建てます」と告げられました。それで住宅性能評価があることを知りました。何よりもこだわっていたのは家の構造。そこに何か客観的な性能の裏付けがあればいいのにと絶えず思っていたので、これはいいなと。さらに「縁側」「深い庇」「吹抜け」「窓の位置」といった私たちの理想をお伝えすると、自信を持って了承してくださったので、なら足立建築さんにお世話になろうと決めました。
地盤のしっかりした土地に、構造の安定性を緻密に計算して、第三者によるチェックも入るとなれば、強い家はおのずと出来上がってくる。その後は自分たちの理想のイメージをつめればいい。強い耐震性による深い軒と庇は、夏は光を柔らかく遮りつつ風を呼び込み、冬は暖かい日差しを取り入れ穏やかに佇む時間をもたらしてくれる。それに即してこの家にテーマを持たせてみよう、と。
「ハレとケ」、これは柳田國男の「非日常と日常」という伝統的世界観なのですが、その概念を組み込むことにしました。
一階部分を、人をもてなす『ハレ=非日常』に。二階部分を、生活の場である『ケ=日常』としました。忙しい日々、空間ごとの用途を意識した、生活の導線が描かれた設計。家の顔である玄関と疲れを癒すお風呂場からは四季を楽しむ坪庭が望め、さらにゲストをおもてなしする際、引き戸を閉じれば生活部分が見えなくなる工夫もこらしています。そして一日の終わりには縁側で風を感じながらお酒が飲める…そんな空間です。住宅性能表示制度による確かな強さと、どこからでも眺めの良い風景は、心地良い眠りを運んでくれます。

ギャラリー

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施工会社担当者より

足立建築 足立さん

「住宅性能表示制度」は
不可欠で普及すべき制度

足立建築 足立さん

最初に制度の申請作業に取り組んだのは九年前になります。取り組むうちに、住宅建築の基盤であり、住まい手のために最低限担保しなければならない制度だと強く感じました。それから住宅性能表示制度を標準としてやり続けています。実は九年前、制度を取り入れるなら最高等級を全部取ってやろうと軽く考えましたが、見事に不合格。 勉強不足を痛感し図面から見直して 日々精進をを心がけるようになりました。住宅性能表示制度を標準として建築し多くのことを学ぶと、この制度がいかに重要なのか認識します。特に地域に根付く中小工務店にとって「住宅性能表示制度」は、第三者検査によって正確な施工を確認する手段のひとつだと言えます。しっかりと検査をされ、「安全、安心で良い家」と書面でしっかり 証明されるのですから、住まい手も安心です。私が所属している地域工務店団体があるのですが、今では、その中の工務店同士で良き家作りを目指し、競合し、共有し、切磋琢磨して、お互いがどんどん成長し合っております。当初は五社ほどだった団体の会員数も、今では工務店だけで五十社近くまで増えました。地域に合った住宅は地元の工務店や大工さんにしか建てられないということを、勉強するほどに感じます。また「住宅性能表示制度」に取り組む会員工務店さんも少しずつですが増えてきています。
「住宅性能表示制度」「長期優良住宅認定制度」「低炭素建築物認定制度」の制度を土台に安全・ 安心を担保し、オリジナリティーあふれる家を一軒ずつ丁寧にご提供してい きたいと考えております。

ポイント

「住宅性能評価書」に記載されている評価内容は、国土交通大臣および内閣総理大臣が定めた共通のルールである「日本住宅性能表示基準」に従って表示されます。

建設住宅性能評価書のマーク 設計住宅性能評価書のマーク

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