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住宅性能評価 事例読本

東京

東京都・木造・S様邸 家族構成:夫婦+子ども2人

住宅性能表示制度を取得している安心により、
とてもスムーズに売主と買主がウィンウィンの関係になりました

この家を建てたのは五年ほど前。これより前は賃貸マンションでしたが、土地が見つかったことと子どもが生まれたのがきっかけで一戸建てを考えました。東京での一戸建てとなるとどうしても横に広くするのは難しく、三階建てにして、さらに屋上をつけるなど縦に空間を取る工夫をしてみました。でもそうなると「耐震とか構造的に問題はないのかな?」と感じ、家を建てるのもはじめてだし、何か安心できる要素はないかと施工会社の東横建設に相談すると住宅性能表示制度をご案内頂きました。
当初は三十万円ぐらいかけて性能を評価することに対して何をやるのだろう?と正直疑問に思いました。でも制度そのものを調べていくうちに、耐震性や温熱環境などの家の性能が評価書として目に見えるようになったり、保険が安くなったりすることを知って、前向きな考えにかわっていきましたね。これは何よりも安心を買うものなのだと。それで住宅性能表示制度を取得しました。長期優良住宅認定制度も合わせて取ろうと思ったのですが、土地の広さが必要面積に足りなかったのでこの家では取得できませんでした。
結果は、やはり取得して大正解。実はこの家を建てはじめたのはちょうど大震災のあったときで、様々な建築資材が手に入りにくくなっていました。そんな中、断熱材が足りないという不測の事態が起きて、現場の職人さんが「二枚重ねればなんとかなるかな。数値的に影響はないから」という判断をされて作業を進めようとしていたことに、不安を感じました。ですが素人が職人に対して的確なことなど言えません。でも住宅性能表示制度を取得していましたので、評価機関の方に電話連絡をして尋ねてみたんです。すると答えは単純明快、「それでは住宅性能表示制度は取れません」とおっしゃって頂き、現場判断の方法は取りやめて頂きました。この安心感こそが制度による最大の利点だと、このとき強く感じました。
住宅建築には様々な人や会社が関わって行なわれますが、肝心の施主である我々自身は何もわからない状態で進んでしまう。何か疑問に感じても、家づくりのプロの方々に意見を言うのはハードルが高いと思います。でも住宅性能表示制度を利用していれば、わからない事柄や見えない部分も、国の定めた基準値に即して物事が進んでいき、第三者機関に客観的な評価を行ってもらえます。仕上がりは理想どおりになりました。三階建て、ドアをなくし部屋と部屋を上手につなげ、キッチンは対面式。屋上にも電気・水道を通したので、庭感覚でBBQを楽しめます。もちろん断熱もとてもよい仕上がりになりましたよ(笑)。都内とは思えないほど静かな空間です。とても気に入って五年間住んでいたのですが、両親から二世帯住宅にして欲しいという要望があって、ここを売却して他の場所に家を建てることにしました。
それで売却時ですが、ここでも住宅性能表示制度が大いに発揮されました。買主になられる方が、とにかく安心感をもたれていました。売る前に点検する民間サービス等もありますが、見えない部分は調べようもありません。それに比べて住宅性能表示制度なら安心の度合いが違います。多くの方たちに見て頂きましたが、日当たりもよく音も静かで都内とは思えない居住空間をとても気に入られた方が多かったように感じました。それに住宅性能表示制度を取得している安心もあったので、驚くほど売却はスムーズに進みました。現在建築中の家は庭もあるので長期優良住宅認定制度を取得しました。設計住宅性能評価は終わり建設住宅性能評価の段階です。温熱環境は新しい基準値に基づき太陽光発電を使用せず一次エネルギー消費量等級「5」が取得できました。その分施主コストが必要となるかもしれませんが、確実な安心を得られることを考えればとても安いと思います。

ギャラリー

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ポイント

「住宅性能評価」は、住まいが建ってからでは見えなくなってしまう構造部分や、住んでからしばらくしてわかる住まいの快適性などを設計及び建設段階で国に登録されている第三者機関が検査を行うものです。
新築住宅において住宅供給者が契約書に住宅性能評価やその写しを添付した場合には、住宅性能評価書に表示された性能を有する住宅の建設を行う(または、そのような住宅を引き渡す)ことを契約したものとみなしたことになります。万が一、住宅性能評価書に表示された性能を満たしていない場合、消費者は住宅供給者に補償を求めることができます。

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